現場雑学 / 2026-07-12

洗面台の排水から水漏れ、なのに完工時は漏れていなかった話

また若い衆の報告帳から一つ。今度は洗面台の排水まわりの水漏れだ。

調べると、排水金具にシール材(部材の隙間を埋める防水材)を塗った形跡がなかった。施工のときの塗り忘れってことだ。じゃあ、なんで工事が終わった時点の確認では漏れなかったのか? ここがこの話の面白いところでな。

排水金具まわりのパッキンが、規定より強く締め付けられていたんだ。強く締まっているうちは、シール材が無くてもいっときは水が止まる。だから完工時の確認では漏れない。時間が経って締めが馴染んだり、水の通り方が変わったりした頃に、じわっと漏れてくる。

いいか、「完工時に漏れていない」は「正しく施工できている」の証明にならねぇ。締めすぎってのは、不具合の上に巻いた包帯みたいなもんだ。見えなくなるだけで、治っちゃいない。

直し方は単純だった。施工説明書の指示どおりにシール材を塗り直して、それで終わり。大ごとに見えた水漏れの正体が、手順の一行の飛ばしだったわけだ。

教訓は2つある。

1つ。資材が変われば、施工指示も変わる。同じ「排水金具」でも、メーカーや型番で塗る場所も締め加減も違うことは珍しくねぇ。ベテランほど「いつものやり方」が手に染みついてるから、初めての資材ほど説明書を開け。読むのは恥じゃねぇ。読まねぇで漏らすのが恥だ。

2つ。力任せの作業は禁止だ。強く締めれば止まる——それは止まってるんじゃなくて、隠れてるだけだ。適正より強い力はパッキンを潰して寿命を縮めるし、今回みたいに問題の発見を遅らせる。道具と部材には、決められた加減ってもんがある。

うちではこの2つ、若い衆にも一緒にやってる業者さんにも、顔を合わせるたびに声をかけてる。水まわりの信用ってのは、こういう地味な確認の積み重ねでできてるのさ。

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